空をなくしたその先に
「本当ですか?それなら早めに乗船券を手配した方がいいかも」


ディオは一度腰を浮かせて、またおろした。


「明日の朝ってことは、
今夜泊まるところもどうにかしないとだ。

ミーナさん、どこか適当な宿知りませんか?」

「うちに泊まればいいじゃない。

うちの人と義弟を、警察に突き出さないでくれたんだもの。

そのくらいお安いご用だわ」


ディオは、ダナを横目で見た。
一心にスープを口に運びながら、左手で「それでいい」のサインを送ってくる。

ディオは、ミーナに頭を下げると、


「迷惑ついでにもう一つ二つお願いが」


と、ミーナについでの頼みごとをした。


幸いなことに定期便の乗船券はまだ残っていた。

金銭的な面を考慮すると、

一等客室というわけにはいかないが、

二等客室なら他の乗客と同じ部屋を使わされることはない。

部屋にシャワーもついているし、それなりに快適な旅になるはずだ。
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