空をなくしたその先に
ディオが乗船券を手配している間に、

ミーナはダナを買い物に連れていってくれた。

何しろ、身一つで逃げ出してきたという設定だ。

着替えもなければ、洗面用具もない。

ダナ一人で買い物に行かせるのは心配だし、

とはいえまさか下着を買うのにまでつきそうわけにはいかない。

いくらなんでも。

親が人を雇って、探させているだろうという理由でかつらも探してもらうように頼んだ。

色そのものも目立つが、短髪の女性は多いとは言えない。

納得したようで、ミーナはそちらもなんとかすると請け合ってくれた。

出会いはあれだったが、ミーナと知り合うことができたのはよかったと思う。

夕方帰ってきたグレンとニースは、ディオたちがまだいるのを見て少し驚いた様子だった。

ミーナの話を聞くと、


「そうすればいい」


と、すぐに賛成した。

< 183 / 564 >

この作品をシェア

pagetop