空をなくしたその先に
普段ニースが使っている部屋を、二人に提供するという。

ニースはどうするのかと言えば、台所の床に寝かされることになった。

二人が台所で寝ると言ったのだが、ミーナの


「迷惑をかけたのは、うちの馬鹿二人だから」


という一言で却下された。

夕食後通された部屋を見て、かたまったのはディオだけだった。

普段ニースが使っている寝室、というからには当然なのだが、ベッドは一つしかない。

その他に部屋の中には家具らしい家具はない。


「ベッド……一つしかないんだけど?」

「そんなの見ればわかるでしょ。

あたし床で寝るから、ディオがベッドを使えばいい」

「でも、それって不公平だと思うんだけど」

「あたしはもっとひどい場所でも寝られるけど、あんたはそうもいかないでしょ」


似たような会話を、つい先日交わしたことをディオは思い出した。

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