空をなくしたその先に
ついで、それがつい一昨日の夜であったことに思いあたって、天井を仰ぐ。

ずいぶん昔のような気がする。

その間にも、ダナは戦闘機から持ち出してきた毛布を床にしいて、

もう一枚を上にかけ、あっと言う間に寝息をたてはじめた。

本当にもっとひどい場所でも寝られるようだ。

今さら起こすわけにもいかず、ディオはベッドに潜り込んで部屋を暗くした。


翌朝起きたときには、家に残っていたのはミーナだけだった。
兄弟は、朝早くから港で働いているのだという。


「本当は、昨日もそうしているはずだったのだけど」


苦笑混じりに、ミーナは説明してくれる。

パンとチーズとミルクという朝食まで食べさせてくれた。

港の仕事では、稼ぎがいいとは言えないだろう。

住んでいる場所も、どちらかと言えば貧しい人間が住む地域だ。

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