空をなくしたその先に
「どうしてそれが、兵器に転用されるのよ」

「偶然の産物」


言葉にしてみて、ディオの口元が歪んだ。

最初は純粋な研究のはずだったのに、気がつけば全く違う目的に転用されようとしている。


「フォースダイトにあるエネルギーを与えてやると、

特殊な光線を発することがわかったんだ。

破壊力抜群の、ね。

それだけじゃない。

フォースダイトに対してはその破壊力が何倍にもなるってことまでわかったんだ。

制御が難しくて、まだ実戦には配備できないけど」

「なんてことなの……。

それをビクトール様はわかっていて、あんたを助けたってわけね」


ダナの肩が落ちた。


「サラ様が裏切った理由、わかる気がする。

そんな研究、完成されちゃたまったもんじゃない」

「ダナ、僕は……」


ディオの言葉など聞こえていないかのように、ダナは続ける。
彼から視線をそらせたまま。

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