空をなくしたその先に
「……何でもないよ」


フレディが妙に鋭いのは昔からだ。

ディオにとって兄のような存在で、勝てると思ったことなど一度もない。

フレディは、手をのばしてディオの曲がったネクタイを直しながら続けた。


「ま、いいけどさ。

マーシャルについたらどうするんだ?

列車、手配してやろうか?

俺も一緒でよければだがな」

「何で一緒にくるのさ?」


「どうせ目的地は一緒だろ。

あれからよく考えたら、お前は物騒な物を持っているんだろうし、

護衛は多い方がいいだろうが」


しれっとして彼は、ダナの方に指を向ける。

この分だと彼女の素性も知られているのかもしれない。


「お前がセンティアで何やってたか、知っているぞ?」


あたりをはばかるように、ディオの方にかがみ込みながらフレディは言う。


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