空をなくしたその先に
「……あたし、本気で言ったんだけど」
「あの人、
暇さえあれば目の前にいる女性を口説いているから気にしない方がいいと思う。
目の前にいなかったら、わざわざ探しに行くくらいだから」
「あきれた」
心底あきれ果てた口調で言うと、ダナはスーツケースを引き寄せた。
荷物をぐしゃぐしゃと放り込んで、ぱたんと蓋を閉じ、鍵がかからなくなっているのに気がついて顔をしかめた。
ディオのスーツケースも同様で、こちらは内側に張られた布が裂かれている。徹底的に探したらしい。
これほど徹底的に探したのなら、目的はやはり金銭ではないのだろう。
ダナにはそれを告げず、ディオは黙ってスーツケースの蓋を閉じた。
「あの人、
暇さえあれば目の前にいる女性を口説いているから気にしない方がいいと思う。
目の前にいなかったら、わざわざ探しに行くくらいだから」
「あきれた」
心底あきれ果てた口調で言うと、ダナはスーツケースを引き寄せた。
荷物をぐしゃぐしゃと放り込んで、ぱたんと蓋を閉じ、鍵がかからなくなっているのに気がついて顔をしかめた。
ディオのスーツケースも同様で、こちらは内側に張られた布が裂かれている。徹底的に探したらしい。
これほど徹底的に探したのなら、目的はやはり金銭ではないのだろう。
ダナにはそれを告げず、ディオは黙ってスーツケースの蓋を閉じた。