空をなくしたその先に
「どういう知り合い?」


フレディが彼女と知り合いなのには驚いた。

配下に抱える傭兵団が独自に行う取引を別として、

マグフィレット王国自身は、
カーマイン商会とは取引をしていないはずだ。

どこで二人が知り合ったのか、ディオには見当もつかなかった。


「きっかけはどこぞの夜会で、あっちからのお誘いだったな。
相性がよかった、というやつだ」

今、飲み物を口にしていたとしたら、盛大に吹き出していたに違いない。

念のため確認する。


「相性って……」


聞かれた相手は肩をすくめただけだった。

想像通り、ということなのだろう。

これ以上は聞くまい。

タイミングよくイレーヌが戻ってくる。

従えていた白衣の男を通すと、二人には部屋の外に出るようにうながした。

何度も訪れているのか、フレディは勝手を知った様子で出てすぐの扉を開く。

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