空をなくしたその先に
フレディがたずねた。


「そこには何が入っているんだ?」

「拳銃と、弾と……ま、あとはちょっとしたものよね」

「接近戦には?」

「ナイフ持ってるから」


身をかがめ、ブーツの中に隠してあるナイフを引っぱり出して見せる。

よし、とフレデイはうなずいた。


「俺たち三人は、自動車に乗り換えるぞ。

最低限の荷物だけ持って降りられるように準備しておけ」

「最低限ってどのくらい?」


ディオの問いには、身につけておける物だけ、という回答が返ってくる。

彼にとっての最低限と言えば、旅券に財布。

胸ポケットに納めたままの資料くらいのものだ。

全て今身につけているので、改めてまとめる必要もない。


「あたし荷物まとめてくる」


何か持っていきたい物があるのか、ダナは娯楽室を急ぎ足で出ていった。

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