空をなくしたその先に
「これからどうするの?」


膝をついてフレディを見るダナの手は、腰の銃にいっている。攻撃されたらすぐに対応できるように。


「迎えが来ている」


フレディが周囲を見渡した時だった。

激しい爆発音に、ディオは飛び上がる。


「どういうことよ?」


ダナが指した先では、イレーヌの列車が炎をあげていた。


「情報が入ったんだよ。

アリビデイルの手の者が、待ちかまえているとな」

「イレーヌさんは?」

「お前はよけいなことを考えるな。行くぞ」


ディオにぴしゃりと言っておいて、暗闇の中で土を払う。

そしてフレディは立ち上がった。


「行くってどこへ?」


ディオの言葉が終わる前に、静かなモーター音が近づいてきた。

ライトを消したままの車から、場違いにのんきな声がする。


「お待たせ!」


運転席にいたのはルッツだった。


「ルッツ!」


ダナの声が跳ね上がった。

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