空をなくしたその先に
不安がないわけではない。

使い方によってはマグフィレット王国が世界から後ろ指を指されることになりかねない。

それでも、戦争が始まろうとしている今、完成さえすれば切り札となるかもしれない。

国を守るために、それでもディオは決めた。

持ち帰った研究を完成させる。
必要にならなければそれでいい。

研究の段階で得られた結果は、別の方面にも生かせるはずだ。

「よろしいでしょう。国を守ることも必要だ」


長い間考え込み、フェイモスは最終的に同意した。

研究にさける人数はそれほど多くない。

人数が増えれば、秘密が漏れる可能性も高くなる。

ディオを中心に、ほんの数名だけが関わればそれでたりる。


「……それより殿下。

あなたにお話しなければならないことがあります」


いい機会だとフェイモスは思った。

先王の時代から守り続けてきた秘密。

まだ若いから、とこれまではディオに話すつもりはなかった。
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