空をなくしたその先に
記録を読めば、ディオの父親の寵妃だった女性だった。

いつの間にかフィディアスとも通じていた彼女は、

フィディアスが王となれば自分は王妃になれる、とディオゲネスの暗殺に手を貸した。

王家の姓の一部を持っていることからして、元をたどれば現在の王家に行き着く家系だったのだろう。

彼女の代にはすっかり落ちぶれて、かろうじて王宮への出入りを許される程度の家柄でしかなかったが。

暗殺は未遂に終わり、彼女は事件から六ヶ月の間幽閉され、そのまま死亡したとされている。
そして、もう一枚めくってディオの手から書類が滑り落ちた。


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