空をなくしたその先に
「ひさしぶりね。ちゃんと食べてる?」
右手を差し出しながらダナは言った。
「食べているよ。
どうしてここに僕がいるってわかったの?」
嘘をはきながら、ディオはダナの手をとった。
「あちこち聞き回って……最終的にビクトール様にお願いして」
「そう……」
最後に顔を見たときには、わずかに残っていた擦り傷のあとも今はすっかり消えている。
首に残されていた指のあともなくなっていた。
以前はシャツ一枚だったのが、秋らしい深い色のジャケットを重ねて着ている。
スカートではなく、パンツに膝丈のブーツを合わせているのは、初めて会った時と変わらなかった。
ためらいがちにダナは口を開いた。
「こんなところにいるなんて……あの研究……続けているの?」
「……うん」
その返答に、彼女は目をふせる。
「……ディオ」
「なに?」
「……あたしたちから……空を……奪わないで」
右手を差し出しながらダナは言った。
「食べているよ。
どうしてここに僕がいるってわかったの?」
嘘をはきながら、ディオはダナの手をとった。
「あちこち聞き回って……最終的にビクトール様にお願いして」
「そう……」
最後に顔を見たときには、わずかに残っていた擦り傷のあとも今はすっかり消えている。
首に残されていた指のあともなくなっていた。
以前はシャツ一枚だったのが、秋らしい深い色のジャケットを重ねて着ている。
スカートではなく、パンツに膝丈のブーツを合わせているのは、初めて会った時と変わらなかった。
ためらいがちにダナは口を開いた。
「こんなところにいるなんて……あの研究……続けているの?」
「……うん」
その返答に、彼女は目をふせる。
「……ディオ」
「なに?」
「……あたしたちから……空を……奪わないで」