空をなくしたその先に
「……またね、て言えばいい?」
「……そう言ってほしい」
またね、ディオの耳にささやかれた言葉は、心の奥底までしみこんだ。
「王都での休日なんて初めて。
おいしいものたくさん食べておかないとね」
とびつくようにしてディオの頬に唇をあてて、彼女は勢いよく飛び出していく。
鮮烈な赤い色だけがあとに残された。
ダナが研究所を訪れてから一週間後。
ついにマグフィレット軍とアリビデイル軍は空で激突した。
焦るディオをよそに、戦局はかんばしくなかった。
センティア王国は国境を突破され、じりじりと王都へと侵攻を許している。
フェイモスは援軍を送ることを考えたが、
陸路で経由しなければならない国の了承を得ることができず、空での勝利だけが状況を打破する手段だった。
「……そう言ってほしい」
またね、ディオの耳にささやかれた言葉は、心の奥底までしみこんだ。
「王都での休日なんて初めて。
おいしいものたくさん食べておかないとね」
とびつくようにしてディオの頬に唇をあてて、彼女は勢いよく飛び出していく。
鮮烈な赤い色だけがあとに残された。
ダナが研究所を訪れてから一週間後。
ついにマグフィレット軍とアリビデイル軍は空で激突した。
焦るディオをよそに、戦局はかんばしくなかった。
センティア王国は国境を突破され、じりじりと王都へと侵攻を許している。
フェイモスは援軍を送ることを考えたが、
陸路で経由しなければならない国の了承を得ることができず、空での勝利だけが状況を打破する手段だった。