空をなくしたその先に
27.戦場の空へ
全ての準備を終えて、ディオは再び深夜にフェイモスの屋敷を訪れた。
今回は研究所の職員を先に送っておいたため、フェイモスは居間でディオを待っていた。
フェイモスは入室したディオを見て顔をしかめた。
やつれている、などという言葉ではまだぬるい。
毎日数時間の睡眠を取るか取らないか。
食事の時間も惜しんで、研究に没頭し続ける。
そんな生活を一月近く続けていたディオは、すっかり別人のようになっていた。
ディオはフェイモスに健康のことを気遣う間さえ与えず、考えていたことを口にした。
「許せませんぞ、そんなことは」
席を勧めるより先にフェイモスは、厳しい声音でディオをさとした。
「誰かほかの技術者を送ればよろしい。
時期国王がそのような……そのような危険な場所に赴くなど」
「それは宰相として?」
伸びかけた前髪の下から、ディオは叔父の顔をうかがう。
今回は研究所の職員を先に送っておいたため、フェイモスは居間でディオを待っていた。
フェイモスは入室したディオを見て顔をしかめた。
やつれている、などという言葉ではまだぬるい。
毎日数時間の睡眠を取るか取らないか。
食事の時間も惜しんで、研究に没頭し続ける。
そんな生活を一月近く続けていたディオは、すっかり別人のようになっていた。
ディオはフェイモスに健康のことを気遣う間さえ与えず、考えていたことを口にした。
「許せませんぞ、そんなことは」
席を勧めるより先にフェイモスは、厳しい声音でディオをさとした。
「誰かほかの技術者を送ればよろしい。
時期国王がそのような……そのような危険な場所に赴くなど」
「それは宰相として?」
伸びかけた前髪の下から、ディオは叔父の顔をうかがう。