空をなくしたその先に
常に最前線にいては、兵士たちの消耗も激しくなる。

アーティカの部隊が合流してから、順番に後方へとしりぞいて休息の時をとるようになった。
最後に合流したアーティカは、現在最前線で警戒にあたっている。


「フォースダイト搭載していない機体って、不便よね」


ルッツの隣にしゃがみこんで、機体の整備を手伝いながらダナは不満の声をもらした。


「君が恵まれすぎだったんだろ?

普通フォースダイト搭載した機体は、団長とか副団長くらいにしかいかないんだからさ」

「両親の機体を受け継いだんだからいいじゃない」


あの時はああするしかないと思ったから、

迷わず海に沈めてきたが、両親から受け継いだ機体を、海に残しておくのは心が痛い。

アーティカに戻ればすぐに引き上げられると思ったのだが、事態はダナの予想をはるかに越えた速度で変化していた。

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