空をなくしたその先に
甲板を慌ただしく兵士たちが行き来する。

ライアンがリディアスベイルを旗艦にすると決めたからだ。

今まで旗艦としていた船からの引っ越し作業は、大急ぎで進められていた。

自らサラに近づいたが、ライアンの階級は低いというわけではない。

リディアスベイルを含め、五隻の船団を率いるのだから、それなりだ。

毎晩リディアスベイルに入り浸っていても、表だって文句が出ないのはそのためだ。

一応傭兵としてアリビデイルに入ったとはいえ、サラの立場はたいそう微妙なものだった。

ディオを手土産とできればまだよかったのだが、手ぶらになってしまった。

アリビデイルが期待していた戦闘機も人員も、アーティカに置いてきた。

この段階で役立たずの烙印を押されている。

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