空をなくしたその先に
半径数キロに及ぼうかという島を、
地上に浮かべようというのだからこの技術力はたいしたものだ。

やはり、古代の人間にはかなわないのだ、まだまだ。

実験室で使っているかけらとは比べ物にならないフォースダイトの輝きに魅せられているディオをよそに、
ダナは部屋を横切っていた。

部屋の向こう側から、ディオを呼ぶ。


「制御室も見る?」

「で……できるなら」


ダナの案内してくれた制御室には、三人の男がいた。
皆、中年以上の年齢であることにディオは気がついた。

さらにそのうち一人は、
右手がなく、義手が服の袖口からのぞいていた。


「やあダナ、久しぶりの空はどうだった?」

「最高!

やっぱりアーティカの人間は、空を離れは生きられないんだ、って実感しちゃった」
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