空をなくしたその先に
四機とうまく連携しなければ、軍用艦にたどりつく前に落とされることになるだろう。

怖い……、と思ってしまう。

落とされることが、ではない。

そんな強大な兵器を自らの手で使用しようとしていることが。

名前を呼ばれたのにも気づかずに、ビクトールの家の前にたどりつく。

ドアノブに手をかけたところで、上から手を重ねられた。

心配そうな色を目に浮かべたフレディが見下ろしている。

合った視線をダナは、ドアノブの方へと戻す。


「大丈夫か?」

「イレーヌさんは?」

「あっちで話してくるそうだ」


フレディがさしたのは、ダナの機体の方だった。

イレーヌは、そばにいる整備士をつかまえて、何かたずねているようだ。


「秘密を知ろうとしてもムダよ?」

「そのくらい、イレーヌだってわかっているだろ。

どっちかっていうと、整備士の方に興味があるんだろうな。

アーティカは、整備士の腕も並じゃない」
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