空をなくしたその先に
いまだに手を重ねられたままなのに気がついて、ダナは強引に手を引き抜いた。


「フレディはどうするの?」

「ちょっとディオと話したら帰るつもりなんだけどな。

今は邪魔できる雰囲気じゃないよなあ」

フレディは、ダナの頭に手を乗せるとイレーヌのいる方へと足を向けた。

ダナはその場でしばらく考えた後、ドアをあけた。

ディオのいる部屋はわかっている。

ずんずん進んでいって、扉をたたく。

返事はなかった。


「ディオ?」


扉の前で声をあげるが、中はしんとしている。

ダナは細く扉をあけて、中をのぞきこんだ。

部屋の奥に備え付けられた謎の機械は、ディオの持ち込んできた解析機だ。

床の上一面に紙が散らかっている。

テーブルの上もベッドの上も紙に覆われていて、足の踏み場などどこにもない。

その中央に、ディオは胡坐をかいていた。
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