空をなくしたその先に
「雷神の剣、ね」
ダナは口の中で繰り返した。
確かに人間が扱うには、強大すぎる力だ。
「一度の出撃で撃てるのは十回までが無難ってことね?」
「気象条件によっては、もっと少なくなるかも」
「そう……」
外に出ると、フレディとイレーヌはまだ整備士と話しているようだった。
ディオは、赤と茶で塗装された戦闘機に目をやった。
使われているのが引き上げたダナの戦闘機から取り出したフォースダイトだと、彼女は知っている。
勝手に使ったことを、ダナは責めなかった。
両親の遺してくれた物だから大切にして欲しいと言っただけ。
雷神の剣が暴走する事態だけは避けなければ。
「ディオ?」
呼ばれて顔をあげる。
「大丈夫。
ビクトール様が、いい作戦考えてくれるもの。
きっと」
無条件の信頼が、ディオには痛かった。
ダナは口の中で繰り返した。
確かに人間が扱うには、強大すぎる力だ。
「一度の出撃で撃てるのは十回までが無難ってことね?」
「気象条件によっては、もっと少なくなるかも」
「そう……」
外に出ると、フレディとイレーヌはまだ整備士と話しているようだった。
ディオは、赤と茶で塗装された戦闘機に目をやった。
使われているのが引き上げたダナの戦闘機から取り出したフォースダイトだと、彼女は知っている。
勝手に使ったことを、ダナは責めなかった。
両親の遺してくれた物だから大切にして欲しいと言っただけ。
雷神の剣が暴走する事態だけは避けなければ。
「ディオ?」
呼ばれて顔をあげる。
「大丈夫。
ビクトール様が、いい作戦考えてくれるもの。
きっと」
無条件の信頼が、ディオには痛かった。