空をなくしたその先に
29.初陣
それからさらに数日調整を重ねて、二人はビクトールに合流した。


「十発しか撃てないって……それで大丈夫か?

まあ、確実にあてりゃ、一度の出撃でそれだけ落とせるってことは上出来と言えなくもないか……?」


報告を聞いたビクトールはうなった。


「一回の出撃で撃てる回数は多くないし。

的は大きいけど、
確実にフォースダイト搭載部にあてないといけないから難しいといえば難しいわね」


テーブルをはさんで、ビクトールとダナは相手の配置図をにらみつけている。

そこに記されているのは今朝の段階の配置のため、出撃前には再度偵察機を飛ばすことになる。

ディオの提案は簡単なものだった。

雷神の剣は、金属を溶かし、消滅させる。

攻撃目標のフォースダイト搭載部近辺に攻撃を加えれば、そこからフォースダイトそのものに損害を与えることができる。

対フォースダイト兵器として、雷神の剣は最高の威力を誇るのだから。

< 428 / 564 >

この作品をシェア

pagetop