空をなくしたその先に
ディオは制御装置を微調整した。

前方からダナが身をひねるようにして、ディオの顔をのぞきこむ。


「発射準備は?」

「できてる」

「いくわよ!」


狙いを定め、ボタンを押す。

まだ暗い空を、白い光が裂いた。

一番先頭にいた艦の底に小さな穴があく。

その穴はどんどん広がっていき、すぐに爆発音が続いた。

フォースダイトが破壊された証だ。

ディオは計器を確認した。

大丈夫、まだ正常だ。

ダナが機体を急降下させた。

他の四機も続いて降下する。

敵の船の下側に潜り込んで、ダナは二射目の用意をディオに告げた。

今の発射で、エネルギー回路内の温度がわずかながら上昇している。

その修正を加えて、第二射発射用意完了。

また、白い光が闇を走る。

さすがに二隻やられたところで、攻撃に気がついたのだろう。

敵の艦内が動き出すのがディオにもわかった。

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