空をなくしたその先に
「戦闘機発進まで五分かからないぞ」

「せめてあと三隻!」


ジョナの忠告にダナはわめきかえす。


「三射目、準備完了」


ディオは条件を修正する。

船団の後方へと移動しながら、ダナは三射目を敵の船底にたたき込む。


「次!」

「いいよ!」


空へ駆けあがりながら、もう一度。

四隻目がゆれた。


「もう一度!」

「ちょっと待って……」


ディオの目が計器の上を忙しく往復する。

計算を間違えるな。

間違えるな。

自分に言い聞かせながら、制御装置の数値を調整していく。


「いける!」

「発射!それで離脱!」


五隻目が沈みはじめた。


「おまえたちは先に行け!」

「食堂で会いましょ!」


二人の乗った機体が、先頭にたった。

残る四機は、発進してきた敵戦闘機と交戦に入り、二人の退路を確保する。

ディオは後部座席でぐったりしていた。

五隻。

乗員は脱出できただろうか。

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