空をなくしたその先に
「実用化にこぎつけた……いや試作機か?」


命令書を届けてきた部下の報告では、軍用艦に直接攻撃をしかけてきたのは一機だけで、あとはその護衛機だったらしい。

実用化にこぎつけているのなら、五機ともにあの兵器を搭載しているはずだ。

早々に試作機を破壊する手立ては考えなければならないだろうが、いずれにしても五隻もの軍用艦を失っては、陣を組み直すしかない。

いよいよアーティカと正面からぶつかる時が近づいているようだ。

命令書の指示に従うべく、ライアンはサラに命令を伝えようと隣の部屋へと足を向ける。

あくまでも艦全体に命令を発するのはサラの仕事だ。

隣の艦長室はひっそりとしていた。

ライアンは扉を叩く。

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