空をなくしたその先に
31.リディアスベイルの最期
ダナは真っ先に飛び出した。
ここまで両軍が近づいてしまったら、他の機体の護衛に頼るわけにはいかない。
ただ、彼女の腕だけが頼りだ。
操縦桿を引きながら、今日は冴えている、と思う。
敵の撃ってくるコースも、敵の機体の動きも完全に読める。
撃ってきた敵機二機の間をすり抜けるようにして、先頭の軍用艦にみるみる接近する。
「ディオ!十秒後に発射できるようにして」
勝手にダナがカウントダウンを始める。
むちゃくちゃだと思いながら、ディオは必死に計器をにらみつけ、手を動かした。
カウントダウン終了一秒前。
ぎりぎりのところで設定が完了する。
「行くわよっ」
見慣れた白い閃光が、敵の艦底に穴をあけ、その奥で爆発する。
ぐらりと艦が傾くのが見えた。
ややあって、最初の救命艇が飛び出してくる。
戦場の後方へと退いていくそれを迎え入れるために、敵の一部隊が行動を開始するはずだ。
敵が救援活動に人員を割かれれば、それだけこちらが有利になる。
ここまで両軍が近づいてしまったら、他の機体の護衛に頼るわけにはいかない。
ただ、彼女の腕だけが頼りだ。
操縦桿を引きながら、今日は冴えている、と思う。
敵の撃ってくるコースも、敵の機体の動きも完全に読める。
撃ってきた敵機二機の間をすり抜けるようにして、先頭の軍用艦にみるみる接近する。
「ディオ!十秒後に発射できるようにして」
勝手にダナがカウントダウンを始める。
むちゃくちゃだと思いながら、ディオは必死に計器をにらみつけ、手を動かした。
カウントダウン終了一秒前。
ぎりぎりのところで設定が完了する。
「行くわよっ」
見慣れた白い閃光が、敵の艦底に穴をあけ、その奥で爆発する。
ぐらりと艦が傾くのが見えた。
ややあって、最初の救命艇が飛び出してくる。
戦場の後方へと退いていくそれを迎え入れるために、敵の一部隊が行動を開始するはずだ。
敵が救援活動に人員を割かれれば、それだけこちらが有利になる。