空をなくしたその先に
「エレン、ロナルド、フェイス、ディラン、ハーヴェイ、イネス、ユール、マリオン、アイザック、レティシア」
アーティカからついてきてくれた部下たち全員の名前を呼ぶ。
「共に来てくれたこと、感謝するわ。
脱出したらアーティカに戻るもよし、別の傭兵団に加わるもよし、あなたたちの好きにしなさい。
戻るなら、ビクトールはあなたたちを受け入れるでしょう」
大きく息を吸い込んで、サラは最後に嘘を吐く。
「私は最後に脱出するから、救命艇を一つ残しておいて。
あなたたちは急ぎなさい」
部下たちにライアンを連れて脱出するようにと告げ、サラは脱出する彼らを見送った。
不安そうな笑みを向けるエレンには、穏やかな笑みを返して見せて。
サラは三つ編みにして背中に垂らしていた髪をほどいた。
艦の中を一回りして、誰も残っていないのを確認してから甲板へとあがる。
どうせ艦とともに落ちるのならば。
空を見上げながらの方がいい。
風が髪を乱す。
もう一つの世界では、彼と再会できるだろうか。
サラは唇にのせる。愛しい彼の名を。
アーティカからついてきてくれた部下たち全員の名前を呼ぶ。
「共に来てくれたこと、感謝するわ。
脱出したらアーティカに戻るもよし、別の傭兵団に加わるもよし、あなたたちの好きにしなさい。
戻るなら、ビクトールはあなたたちを受け入れるでしょう」
大きく息を吸い込んで、サラは最後に嘘を吐く。
「私は最後に脱出するから、救命艇を一つ残しておいて。
あなたたちは急ぎなさい」
部下たちにライアンを連れて脱出するようにと告げ、サラは脱出する彼らを見送った。
不安そうな笑みを向けるエレンには、穏やかな笑みを返して見せて。
サラは三つ編みにして背中に垂らしていた髪をほどいた。
艦の中を一回りして、誰も残っていないのを確認してから甲板へとあがる。
どうせ艦とともに落ちるのならば。
空を見上げながらの方がいい。
風が髪を乱す。
もう一つの世界では、彼と再会できるだろうか。
サラは唇にのせる。愛しい彼の名を。