空をなくしたその先に
33.明かされた秘密
翌日、ディオはダナに使いを出した。

きっとこれからも宮中へとビクトールに連れられてくることはあるだろうけれど、

彼女とは今までみたいには会えなくなる。

その前に一度きちんと伝えなければならないことがある。

そう思って従僕に使いを頼んだのに、

戻ってきた彼は、彼女は外出してまだ戻っていないようだとディオに告げた。

ディオは首をかしげた。

どこに行ったというのだろう。
ティレントに知り合いなどほとんどいないはずだ。

伝言は残してもらってある。

帰宅すれば彼女から連絡があるだろうと、気を取り直してディオは執務室へと入った。

まだ正式に即位していないとしても、
大多数は宰相にまかせるという前提条件があったとしても、
政務は待っていてはくれないのだ。

昼食を終え、午後の休息時間になっても彼女から連絡はなかった。

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