空をなくしたその先に
ディオは紙を握りしめた。せっかく皺を伸ばしたというのに、手の中でもう一度それは形を変える。

戦争が終わって戻ってきてから何度か、部屋が荒らされたような形跡を感じたことがあった。
一人でいる時に、後ろから突き刺さる誰かの視線に気づいたこともある。

確認しようと顔を向けた時には、その気配はすぐに消えてしまっていたが。

まさかフレディが関わっているとは思わなかった。

ディオは首から下げた布製の袋に手をやった。

彼が欲しがっていたものは、常に身につけていた。

寝ている間でさえも。

迷った末に、窓際に置いた大きな机に近寄る。

引き出しの中にしまってある銃を取り出し、動作を確認して、丁寧に弾をこめた。

これを使うようなことにならなければいいと願いながら。

それでもきっと使うことになるのだろうと覚悟を決めながら。
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