空をなくしたその先に
35.野望の果て
「そうか……そういうことか」
噛みしめた言葉は苦かった。
先代の国王は、自分の中に愚かだった弟の姿を追い求めていたのだろうか。
自分の歩む道は、栄光への道だと信じていた。
奪われたものを取り返す正義の歩みだと。
「ダナを離せ。彼女は無関係だ」
なおも銃を向けたまま、ディオが言う。
「そうだな……無関係だ」
一瞬、手をゆるめかけたフレディだったが、気を取り直したように再度ダナを引き寄せた。
「帰すのはやめておこう。
俺が欲しかったものは、お前のもので最初から俺のものじゃなかったんだもんな。
……でも、彼女は違うだろ、俺がもらっておく」
「あたしの意志は?」
「うん、そっちはおいおいだな」
こんな状況だというのに、フレディの声音はいつもの彼のものに戻っていた。
作った陽気さにダナの胸に重いものがのしかかる。
噛みしめた言葉は苦かった。
先代の国王は、自分の中に愚かだった弟の姿を追い求めていたのだろうか。
自分の歩む道は、栄光への道だと信じていた。
奪われたものを取り返す正義の歩みだと。
「ダナを離せ。彼女は無関係だ」
なおも銃を向けたまま、ディオが言う。
「そうだな……無関係だ」
一瞬、手をゆるめかけたフレディだったが、気を取り直したように再度ダナを引き寄せた。
「帰すのはやめておこう。
俺が欲しかったものは、お前のもので最初から俺のものじゃなかったんだもんな。
……でも、彼女は違うだろ、俺がもらっておく」
「あたしの意志は?」
「うん、そっちはおいおいだな」
こんな状況だというのに、フレディの声音はいつもの彼のものに戻っていた。
作った陽気さにダナの胸に重いものがのしかかる。