空をなくしたその先に
「おいおいだなんて、そんなのあるわけないでしょ!」


薬のせいで身体の方は重いが、口はいつものように回るようだ。

この状況を打ち砕きたくて、ダナ自身もいつもの口調を取り戻そうとしていた。

「それはともかく、君は大事な人質だからな。

今すぐ解放するわけにはいかないのさ。

特に下にいる奴らと離れるまでは」


にやりと笑って、フレディは銃をダナの頭につきつけた。

階段の下には、ビクトールに率いられたアーティカの傭兵たちが到着していた。

下からは安置所の中をうかがうことはできない。

一方上からは、彼らの様子がよくわかった。


「さて、ディオ。

そのままゆっくり銃を置いて、外に出てもらおうか」

「フレディの言うことなんで聞かないで!」


ダナとフレディ双方を見比べて、ディオは緩慢な動作で銃を下に置いた。

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