空をなくしたその先に
「なんでわざわざセンティアへ?
あなたに対する風当たりきついでしょうに」
ディオも研究員の一員であったことは、少し世事に通じた人間なら知っている。
事前に研究所を離れていたのは、別の事情があったためとはいえ、世間の見る目は厳しいと言えるだろう。
たとえ全財産を遺族へ渡したとしても、それだけでは償いにならない。
そう言われても仕方ない。
「石投げられるかもね、僕」
「石投げられるだけならいいけど、あなたの頭の中にはまだあの……研究が残っているのでしょう?
殺されてしまうかもしれないじゃない。
王宮にいれば安心なのに」
ディオの口元にうかぶ笑みが、苦い物に変わった。
「でも、そうしなければならないと思ったんだ」
最初はひたむきな探求心だったはずだ。
その方向性がずれさえしなければ。
ずれた代償はあまりにも大きすぎた。
失われた命の数を数えることなんてできやしない。
あなたに対する風当たりきついでしょうに」
ディオも研究員の一員であったことは、少し世事に通じた人間なら知っている。
事前に研究所を離れていたのは、別の事情があったためとはいえ、世間の見る目は厳しいと言えるだろう。
たとえ全財産を遺族へ渡したとしても、それだけでは償いにならない。
そう言われても仕方ない。
「石投げられるかもね、僕」
「石投げられるだけならいいけど、あなたの頭の中にはまだあの……研究が残っているのでしょう?
殺されてしまうかもしれないじゃない。
王宮にいれば安心なのに」
ディオの口元にうかぶ笑みが、苦い物に変わった。
「でも、そうしなければならないと思ったんだ」
最初はひたむきな探求心だったはずだ。
その方向性がずれさえしなければ。
ずれた代償はあまりにも大きすぎた。
失われた命の数を数えることなんてできやしない。