空をなくしたその先に
海面すれすれまで降下したダナの機体が、向きを変える。

星を背につっこんでくる三機の戦闘機。

その三機に正面から立ちむかうかのように、ダナは機体を動かした。

三機の間を、すりぬけるように今度は空へと賭けのぼる。

すれ違いざまに、一機が爆発した。


「とりあえず逃げる!」


ダナの機体は、宙を自在に賭け巡った。

相手の機体を翻弄するように、夜空に何重もの円を描く。


「しっつこいなあ、もうっ!」


舌打ちするダナの機体を追い続ける、
二機の敵機。


「来るっ」


敵から弾が撃ち込まれた。

機体を左に傾けて、ダナはそれをよける。

と、今度は左から撃ち込まれた。
今度は機体を上昇させる。

右、左、さらに左。

どれだけあがいても、ふりきれそうにない。
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