空をなくしたその先に
「うわあああああ!」


今度はディオも容赦なくわめいた。

海面がせまってくる。

このままつっこんだら、後は沈んでいくしかない。


「ま……負けないっ!」


ダナは、何とか機体を水平に立て直す。

目の前に砂浜が見える。

ダナの機体は、そのまま砂浜に滑り込んだ。

砂をまき散らしながら、
砂浜をのりこえて、

前方の木が群生しているところにつっこんでいく。

ベルトを外すのと同時に、
ダナは、ウィンドウを開けて立ち上がった。

足で機をコントロールしながら、手を腰に着けた小さな鞄にやる。

タイミングをはかりながら、
取り出したものを、
ダナは森の向こう側へと放り投げた。

それこそ機体が爆発したのではないかというような音を立て、炎、ついで白い煙が立ち上る。
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