空をなくしたその先に
もう一個同じところを目がけて投げた。

繰り返される炎と煙の誕生。

その横に、機は静かに停止した。


「今の何?」


たずねたディオの唇に手をあてて、ダナは静かにするよう無言の圧力をかけた。

上空から、戦闘機の旋回する音が響いてくる。

やがて音が遠くなっていくと、ダナはディオの唇にあてていた手を離して、息をついた。


「ごまかされてくれたみたいね……。

あれ、ルッツが作ってくれたのだけど、
まさかこんなに早く使うことになるなんてね。

朝にはあんたの持ってる機密書類だっけ?

それを取りに来るだろうし、それまでに何とかしないと」

「燃えちゃったって思ってくれないかな……?」

「どっちにしたって、フォースダイト回収に来るわよ。

動きでフォースダイト積んでるってばれているだろうし」
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