空をなくしたその先に
「起きたの?」


戦闘機の座席から、
ダナが言った。

飛行帽とゴーグルは、翼の上に放り出されている。


「……おはよう」


ディオの挨拶に
口の両端を軽く持ち上げてこたえると、

ダナは後部座席の方に身を乗り出した。


「はい、これ受け止めて!」


放り投げられたのは、昨夜足で必死に押さえ続けたバスケット。
どうやら中身も無事のようだ。

続いてダナが、身軽な動作で飛び降りる。


「今、仲間から連絡があったの。

救援に来てくれるって言うから、そっちに合流するわ。

一応、飛べるであろうところまではこぎつけたけど、
それほど速度は出せないだろうし

合流した方が安心だわ」

「飛べるところまで直せた?」
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