空をなくしたその先に
「うん。
ほら、あたしの機体フォースダイト搭載してるでしょ。

フォースダイトの制御装置の方は無事だったから、

エネルギーの流れをちょっと変えてやったの。

だから飛べることは飛べるんだけど……」


こぼれるため息。


「やっぱりだめね。
スピードは出せないから、

今度敵に見つかったら間違いなく撃墜されちゃう」


ディオは話を変えた。

肩を落としたダナの姿は、これ以上見たくなくて。


「このバスケットなんだけど……」

「その中にコーヒー入っているはずなの。
それだけ飲んだら、出発する」

ディオにバスケットを持たせたまま、ダナはふたを開けた。

中には、紙にくるまれたサンドイッチとポット、カップが二つ入っている。


「お腹すいてる?」


問われてディオは首をふった。

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