空をなくしたその先に
「サラ様のところに行って、連絡ついたか聞いてみる」


あわててディオもダナにならう。
トレイに皿を重ねて、片手に持つ。

中身が入っていない分、
持ってきた時よりは楽だった。
船内に入る時、ちらりと空を見上げた。

やはり、青くどこまでも高い。
ずっとここで生活するのは、どんな気分なのだろう。


「サラ様……」


呼びかけながら、ダナは操舵室のドアを開けた。

返事も待たず、そのまま室内に滑り込む。

続こうとしたディオは、ダナの背中に思いきりぶつかった。

トレイの中身をひっくり返しそうになり、
そちらに気を取られてしまう。
だから気がつかなかった。

扉をあけて、正面にあるのは大きな航路図。

その前に立って、こちらを向いたサラは困ったような笑いを浮かべた。


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