空をなくしたその先に
ディオは、知っている限りのフォースダイトに関する知識をかきあつめた。

刺激を与えれば、宙に浮かぶ鉱石。

天からの贈り物と人は言う。

フォースダイトを搭載している限り、
すぐに墜落することはなさそうだが、
早めに脱出した方が無難だろう。

脱出用小型艇を捜し求める。

船底に格納されているということまでは知っているのだが、
具体的な置き場所がわからない。

乗船してすぐ、
在処を確かめておくべきだった。

後悔の念が胸をかすめる。

焦る気持ちとはうらはらに、
船は見つからない。


「ディオ・ヴィレッタね!ちょうどよかった」


少女特有の高い声に、ディオはふりかえった。

飛行服に身を包んだ少女が立っている。

茶の飛行服は、彼女の体格には少し大きめだった。

年齢はディオと同じくらいだろうか。

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