空をなくしたその先に
枝を通して月の光が足下を照らす。

十分な光量とは言えないが、
なんとか足下を確認しながら進むことができた。

ぽきりと足下で枯れ枝の折れる音がする。

それ以外は、二人の足が枯葉を踏みしめる音だけ。

どちらも口をきこうとはしなかった。

沈黙に耐えられなくなって、
ディオは口を開いた。


「これからどうする?」

「そうね。とりあえず森の中で野宿かな」


なんと二夜連続の野宿だ。

ディオは目を回しそうになった。

とはいえ、贅沢など言えないことはわかっている。

しばらく森の中を進む。

わずかな光にも目が慣れてきて、だんだんと歩く速度もあがってきた。

最終的に二人がたどりついたのは、
古代人の遺跡だった。

たくさんの巨大な石が積み重ねられている。

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