空をなくしたその先に
こういう遺跡は神殿だと考えられているが、

はっきりとした結論が出ているわけではない。


「ここにしましょうか」


石が頭上をおおって屋根のようになっているところを見つけると、ダナは足を止めた。

すぐ近くには川が流れている。

荷物を放り出して、ディオはその場にへたりこんだ。

昨日といい、今日といい、穏やかに一日を終えることはできないのだろうか。

ディオをその場に残したダナは、一度遺跡を出ていく。

戻ってきた時には、
両手にたくさんの枯れ枝を抱えていた。

ディオが動けないでいる間に、彼女は森と遺跡を何往復もして、薪を積み上げていく。

一息ついてからディオも彼女を追ったが、
運んだ薪の量は比べ物にならなかった。

十分な量の薪を確保してから、ダナは器用に小さな火を起こした。

< 94 / 564 >

この作品をシェア

pagetop