困った生徒 【超短編】
「・・・まさかマジで80点代叩き出しちまうたぁな・・・」
「見直しましたか?? 先生!!」
自慢げに胸を張って言う宮野。
俺は感心したような、疑うような目でそいつの解答用紙を見つめている。
ったく…そうやって素直に頑張るトコが可愛いっつーか。
放っとけねぇっつーか。
一人の生徒を特別扱いすんのは駄目だって分かってんだけどな。
補修だって…実はしなくても大丈夫なんだ。
俺がコイツと一緒に居たいから…って。
教師失格かもな、俺。
『♪ピンポンパンポーン・・・坂下先生、お電話です。至急職員室に来てください』
お?? 俺かよ・・・めんどくせぇなオイ。
「じゃ、俺ちょっと行ってくっから・・・と、おめー今日日直だろ? せんせの机に日誌置いてあるからちゃんと書いとけよ~」
「はぁ~い」
少しめんどくさそうな宮野の返事を聞いてから、俺は教室を出た。
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