困った生徒 【超短編】
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ちっ・・・電話長引いちまったよ・・・。
教室の鍵しめねーとな・・・めんどくせえ。
もう生徒残ってねーだろうな。
宮野も…もう帰っただろうな。
まぁ、これ以上一緒に居ると危ないのは俺の方だけど。
ガラッ
「・・・マジでか」
俺が教室のドアを開けると、予想外に一人の生徒がポツリと残っている。
てか、寝てる。
誰だよ・・・全く。
「・・・オイてめぇ、早く起きてくれねーと・・・っ」
「・・・せん・・・せぇ・・・大好き・・・」
全く、困った生徒さんだよ・・・。
こんなトコで可愛い顔して寝てんじゃねーよ!
俺だって男なんだからな。
俺はコイツの柔らかい髪をクシャッと撫でる。
指から細い髪がスルリと滑り落ちて、コイツの耳にかかった。
その髪につられるように、俺は耳元で囁く。
「センセーの好きな人は・・・・・・、・・・そんぐらい分かりなさい、お馬鹿さん」