てのひら。
プロローグ―。
今、あなたは幸せですか?
笑っていますか?
それとも泣いていますか?
辛い、苦しい、悲しい、痛い。
息も出来ない程に、死んでしまいたいと思う程。
そう思ったことがありますか?
本当の自分を隠し続けて、傷は深くなるばかり。
そんな私に手を差しのべてくれたのは、一番仲のよかった友達でも、他の誰でもなかった
私以上に深い傷を負っていた、彼だけでした。
友人関係、いじめ―
手を引いて、時には背中を押してくれた。
彼は立ち止まっていた私に、また歩き出す勇気をくれた。
そして私は、そんな彼に恋をした。
何の嘘偽りない中3だったころの私の体験。
もしも今、あの頃の私のように苦しんでいる人がいるならば、私は伝えたい。
あなたはひとりじゃない。
人は涙の数だけ人の痛みを知ることができる。
人の痛みを知っている人は誰よりも強くなれるし誰よりも優しくなれる。
大丈夫だから。
少しだけ勇気を出して、顔を上げてみて。
きっと光が見えてくるから。