ストロベリーショートケーキ
「ねー、どこ行くの?」
いつもと違う帰り道を通るシンにたずねる。
シンは立ち止まって、少し後ろにいる私を振り返った。
「どこって…ケーキ、食うんじゃねぇのかよ」
う…ケーキ……
確かに…すごく、ものすごーく、たべたいけど…
「でっ、でもっ…」
須山先生が…
「あんなん口だけだろ
お前、全校生徒何人いるか知ってる?全員取り締まんのとか、まず無理だし。
教師がこんな早く帰るわけねーし、ばれねーって」
シンが言うと、なんだか説得力がある。
「だから、行くぞ
行きたいんだろ?」
「うんっ!」
シンはたまーにだけど、優しいね。
うきうきしながら、シンの腕に抱きついた。
「ねぇー、シン?」
「…なんだよ」
あのね…
「道、ぎゃく」
「はやく言えよ!!!」
ゆあたちはケーキ屋さんに向かうため、今来た道を逆戻りして行った。