ストロベリーショートケーキ
4.「おつかれ」が言いたい
―カシャン
いつものように自転車を止めて、けーちゃんが上を見上げる。
不思議そうに首を傾げて、郵便受けに入っている手紙を抜き取ると、けーちゃんは家に入って行った。
「……ぷはっ!」
いま、ゆあが居るのはけーちゃんちに生えてるおっきな木の裏。
だからゆあがそこに居るんだって、ばれないように、今まで息を止めてた。
朝早くに、けーちゃんが帰る前に郵便受けに手紙を入れた。
そしていざ自分の家に戻ろうとしたら、けーちゃんが帰って来ちゃうんだもん。
だから慌てて隠れたの。