ストロベリーショートケーキ
頭を擦りながらけーちゃんを見上げると、ゆあに目線を合わせてけーちゃんが屈む。
「どーしたぶつけた?ごめんな?」
ぽんぽんっ、とゆあの頭を大きな手が優しく撫でる。
「ううん
それより、けーちゃんなんで出てきたの、まさかもう手紙読んだの?」
「ん?手紙って?」
けーちゃんが首を傾げる。
その様子だと、まだ読んでないみたい。
だから慌ててなんでもないと付け足した。
だって直接言うのが恥ずかしいから、手紙にしたのに。
「でもっ、じゃあなんでけーちゃん出てきたの?」
ゆあがもう一度聞くと、けーちゃんはよっこらしょと玄関前の階段に座り、おじさんみたいに自分の肩を叩く。
「んー、今日は誰かさんがおつかれって出迎えてくれなかったから。なんか疲れたままなんだよね、俺」
そう言うと、はぁーと長く溜め息をつく。