ストロベリーショートケーキ
けーちゃんの、嘘つき。
もう手紙読んでたんじゃん
「う…うん」
嬉しくて、顔を真っ赤にして目を反らす。
「ははっ、本当イチゴみたいだなゆあは」
真っ赤なゆあを見て、けーちゃんが笑う。
だって、だってけーちゃんと映画行けるんだもん、初デートなんだもん。
「食べちゃおうか」
「ふえっ?」
けーちゃんは、ゆあの片方のほっぺたに手をそえて
もう片方のほっぺたに口づける
「うん、イチゴ味」
予想外すぎるけーちゃんの行動に
ゆあはただ、目をぱちくりさせる。
「さ、そろそろ中入るよ。
あ、俺が先に入った方がいーんだっけ?」
何も、耳に入らない
「じゃあまたな、ゆあ」
覚えてるのはけーちゃんの笑顔と、甘い声
『食べちゃおうか』
もしかしてゆあ、けーちゃんにちゅーされたの!?
「きゃー!」
思い出すと恥ずかしくて、叫びながら自分の家まで猛ダッシュした。