ストロベリーショートケーキ
「…ゆあ?」
「けっ、けーちゃん…」
見てたの、ばれちゃった…
名前を呼んで、けーちゃんがこっちを見る。
「おはよう、早起きだな」
下にいるけーちゃんが、にっこりと笑う。
それだけでもう、ゆあの胸はキュンキュンしちゃった。
だってけーちゃんの笑顔、かっこよすぎるんだもん。
「お、はよっ」
「あ、ゆあ今日から3年生だろ。さては楽しみで眠れなかったのかぁ?」
「そっ、そんなに子どもじゃないもん!」
今日は本当にぐっすり眠れたんだもん。
遠足とか、新学期とか、そんなことで眠れないなんて、子どもみたい。
はやく、けーちゃんに近づかなくちゃ、大人にならなきゃ、置いてかれちゃう。
だけど、3歳の差っておおきいよ。
せっかく中学生になっても、もうけーちゃんは卒業しちゃってて
せっかく同じ高校に入学しようと思っても、ゆあが入学する頃には、もうけーちゃんは居ないんだ。
ねぇ、いつになったら追い付けるの?