ストロベリーショートケーキ
 


けーちゃんの猛ダッシュのおかげで、ほんとにギリギリで席についた。

でも…



「あーぁ、ゆあキャラメル味のポップコーン食べたかったのにぃ」



ギリギリだったから、ポップコーン買う時間がなかったんだ。



「ゆあ、手」

「えー?」

「パッて出してごらん?」



言われた通りにけーちゃんの前に両手を出すと、手の上に四角い紙で包んであるキャラメルがコロコロと落ちてきた。

ぱっとけーちゃんの顔を見上げると、やっぱりけーちゃんは笑ってた。



「持ち込み禁止だから、ナイショね」



わ…なんだろう

きゅーんってする



「…ゆあが食べたいのはキャラメルポップコーンだけど、これでがまんする」



照れ隠しでキャラメルを一つ口に入れて下を向いた。



「ははっ、えらいえらい」



けーちゃんはそう言ってゆあの頭をなでた。

へへっ

ゆあ、えらいって



「ポップコーンは次来た時な」


次…来た時?

また、デートしよってこと??



「うんっ!!!」



絶対、また来よう

けーちゃんとふたりでまたデートしよう



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